フロマGのチーズときどき食文化

シャンパーニュといいましょう

2012年12月15日掲載

シャンパンの父といわれるドン・ペリニョン僧像

最近ではクリスマスにワインを飲むのが当たり前、シャンパンがよく飲まれるのもこの季節です。でもシャンパンってなんだろう。ポンと音がして泡が立てばシャンパンと大雑把に思っていませんか。でもこのように見た目はシャンパン風というのは、本物のシャンパンよりたくさん店頭に並んでいるのです。でもこれらの「泡物」の中には、結構いけるものも多いのですが、本物と見分ける簡単な方法はラベルを見てChampagne(シャンパーニュ)の文字があればこれはフランスのシャンパーニュ地方でつくられた本物です。それと値段が高いものは本物です。

そこで、せっかく高いシャンパンを買って飲むわけだから、少しは知識を仕入れておきましょう。まず、シャンパンの産地はパリの北東のシャンパーニュ地方に限定されています。シャンパンは基本的にはブレンドして作られますが、原料葡萄の品種はほぼ80%がブルゴーニュの赤ワインの品種と同じピノ・ノワールです。黒葡萄は果皮の赤い色素が混ざらないように大急ぎで搾ります。その他白ワイン用のシャルドネ種なども使います。まず搾った果汁を樽で発酵させた後に瓶に詰めますが、この時少量の砂糖と酵母を加えてコルク栓をし、飛ばないように針金で縛って瓶の中で二次発酵させます。次に瓶の中にたまったオリを時間をかけ特殊な方法で取り除き、その時に量が減った分、糖分を混ぜたリキュールを加えます。この時加える糖分の量で甘口辛口が決まるのです。その後一定期間熟成させ出荷されます。こうして瓶内で二次発酵させる方法をシャンパン方式といいます。

さて、近頃の酒飲み女子はドン・ペリ飲みたーぃとかいったりして、おじさんをビビらせているようですが、ドン・ペリとはシャンパンの大手モエ・エ・シャンドン社のプレステージシャンパンで、正式にはドン・ペリニョンといいます。これは、シャンパンを発明したとされている修道僧の名前ですが、実際は彼が発明したとするのは少し無理があります。1668年、シャンパーニュ地方の僧院の酒蔵係りに任命されたドン・ペリニョンは優れた感覚の持ち主で研究熱心。この地方でつくられるワインを巧みにブレンドし、常に評判の高いワインを作り出していました。またコルク栓を使ってワインの瓶熟成を可能にし、新型の発泡ワインを売り出して成功したという事です。モエ・エ・シャンドン社の入り口には彼の銅像が立っています。ドン・ペリは当然高価です!

最近流行のシャンパンタワー

シャンパンについて、近頃ちょっと気になるのは、結婚式などで流行っているシャンパンタワーとかいうあれです。グラスを積み重ねて上からシャンパンを注いで下のグラスまで流しこむ。アーもったいない。飲むころにはせっかくのシャンパンはぬるくなり泡も香りも飛んでしまう。あまりいい趣味とは言えません。もう一つ、不思議なのは、日本にワインがはやり始めた頃、ブルゴーニュを英語風にバーガンディーという人がいました。今はそんな人はいませんが、なぜかシャンパーニュだけは今も英語風なのですね。そこで一度シャンパーニュくださいと言ってみてください。かっこいいですよ。キザという人もいますがね。

シャンパンにはモンドールはいかが

さて最後にシャンパーニュにチーズを合わせるとしたら何がいいか。同郷同士というセオリーなら白カビのブリですけど、今はすっかりクリスマスの定番になりつつあるモンドールなんかはいかがでしょう。