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2024年度 チーズプロフェッショナル資格認定第一次試験問題

2024年8月7日掲載

解答のチーズ名の表記は、カタカナでよい。
ただし、「原語で」と指示がある場合を除く。


【問題1】各文章の下線付き太字部分が正しければその線の下に○を、誤りであればその線の下に正しい語句を記せ。

(1) シュレッドチーズは結着防止のためにセルロースが添加されていることが多い。

(2) シネレシスとは、カードの膨張現象のことをいう。

(3) ノルマンディー地方のA.O.P.チーズのひとつであるCamembert de Normandieは、カレ、クールなど様々な形があるのが特徴である。

(4) 732年のトゥール・ポワティエ間の戦いでSainte-Maure de Touraineの製法が残されたといわれている。

(5) ドイツとの国境に近いティエラッシュ地方のチーズMaroillesは、ウォッシュタイプである。

(6) 日本において、ナチュラルチーズの消費量がプロセスチーズを上回ったのは1980年代後半である。

(7) アーロールまたはホロートは、モンゴルにおいて搾乳できない季のための保存食である。

(8) ダナブルーは、ドイツの代表的な青カビタイプのチーズで、乳製である。

(9) 消費期限とは、未開封で「安全に食べられる」期日の目安を示している。

(10) チーズの着色に使われる「アナトー色素」は、微生物由来の色素である。

(11) チェダリングするチーズは、型詰めする前にカードのpHを上げる

(12) ナチュラルチーズには「風味物質」を添加することができるが、その分量は製品の固形分重量中 3分の1以内が望ましいとされている。
 

【問題2】各文章の指示に従って、それぞれ4つの項目を左から順に並べ替え、記号(数字)を記せ。

(1) ハードタイプチーズの製造工程順に並べよ。
1.カッティング  2.ホエイ分離  3.成形  4.凝固

(2) 規定によって定められる直径が大きい順に並べよ
1.Brie de Meaux 2.Comté 3.Fourme d'Ambert 4.Roquefort

(3) 重量の重い順に並べよ。
1.Selles-sur-Cher 2.Chavignol 3.Charolais 4.Rocamadour

(4) 100gあたりのカルシウム量が多い順に並べよ。(日本食品標準成分表2020年版〔八訂〕)
1.エメンタール 2.ゴーダ 3.カマンベール 4.カテージ

(5) 産地を北から順に並べよ。
1. Brie de Melun 2. Ossau-Iraty 3. Brocciu 4. Fourme d’Ambert

(6) チーズの生産量(2020年)が多い順に並べよ。
1. 日本  2. スイス  3. オランダ  4. アメリカ

(7) 規定によって定められる最低熟成期間が短いものから順に並べよ。
1. L’Etivaz 2. Chaource 3. Bleu d’Auvergne 4. Rigotte de Condrieu

 

【問題3】各文章のカッコの中を適切な語句で埋めよ。

(1)  ウォッシュタイプのチーズは、表面を塩水で洗うことにより、( )の繁殖が優勢となる。

(2) 脱水成形・加塩後で熟成に入る前のチーズを( )という。

(3) ハードタイプなどのチーズに差し込んで中身を検査する道具を( )という。

(4) Mont d’ Orは製造期間が( )月15日から翌年( )月15日までと限定されている。

(5) チーズに使用される凝乳酵素レンネットは( )とみなされるため、添加物として通常表示しない。

(6) Banonは( )の葉に包み、ラフィアという( )の繊維で結んだ( )乳製チーズである。

(7) 熟成18~24ヶ月のミモレットは、( )という呼び名が付いている。ミモレット独特のうま味には、フランス語で( )というコナダニのはたらきが寄与しているからである。

(8) 食品事業者が、製造や加工を行う段階で発生するおそれのある微生物汚染や異物混入などの可能性を分析し、工程中の重要管理点を定め、危害防止のために必要な対策を講じる仕組みのことを、略して( )という。

(9) 1925年に初めてA.O.に認定されたフランスチーズは( )で、( )乳製のチーズである。

(10) ( )はキプロスの食卓に欠かせない伝統的なチーズで、( )の葉が入っていることが多い。

(11) ベルギーで唯一のA.O.P.チーズの名称は( )であり、( )タイプのチーズである。

(12) 重篤なアレルギー症状を引き起こす可能性があり表示が必要な「特定原材料」は、2023年に( )が追加されて品目数は(   )となった。

(13) 栄養成分表示の必須項目は、エネルギー、たんぱく質、脂質、( )、( )である。

(14) チーズフードは、製品中のチーズ分の重量が( )%以上のものをいう。

(15) チーズがカルシウム源として優れているのは、熟成過程でできる( )がカルシウムを溶けやすい状態に保ち、腸管からのカルシウムの吸収を助けるからである。

(16) ポルトガルを代表するチーズQueijo Serra da Estrelaは( )乳製チーズで、( )レンネットを使用している。


【問題4】以下の地図を見て、設問に答えよ。

1. 地図上の記号A~Qの名称を記せ。

2. 地図上の記号E~Kの島が属する国名を記せ。

3. 地図上の「あ~え」について、以下の設問に答えよ。
(1)「あ」について
 ① 国名を記せ。
 ② 半島名を記せ。
 ③ この国の風土や造られるチーズの特徴を、以下の< >内に指定されたキーワードを使用して説明し、当てはまる原産地名称保護チーズ名を1つ記せ。

  < 北部 / 青カビチーズ / 洞窟 >
  特徴:
  チーズ名:
 ④ この国の原産地名称保護チーズ名を、上記の他に2つ記せ。
  ※上記の指定されたキーワードに沿ったものでなくてよい。

(2)「い」について
 ① 国名を記せ。
 ② この国の風土や造られるチーズの特徴を以下のa~cから選べ。

  a  国別のチーズ生産量はアメリカに次ぐ世界第2位で、輸出量輸入量とも世界第1位である。
  b  干拓地での酪農が発展。チーズは長期保存や輸送に耐えるように改良し、輸出が増えていった。
  c  チーズはバイキングによって伝えられ、ヨーロッパのチーズを模倣しながら独自のチーズを育てていった。
 ③ この国の輸出量第1位と第2位のチーズ名を2つ原語で記せ。

(3)「う」について
 ① 国名を記せ。
 ② 半島名を記せ。

   ③ この国で造られる「ブラウンチーズ」について、以下の表を埋めよ。

(4)「え」について
 
① 国名を記せ。
 ② この国で造られるチーズ Feta の特徴について、以下の表を埋めよ。  

【問題5】①~⑤の円グラフは、5種類の食品の主要成分のおよその構成比を表している。①はバター(有塩)である。②~⑤は枠内の食品のいずれかである。

(1) 5つの円グラフに共通するA,B,Cの成分名を記せ。ただしDはA,B,C以外の全成分である。

(2) ②~⑤の円グラフに該当すると思われる食品名を枠内から選んで記せ。

(3) ⑤は他の食品よりもDの構成比が高い。Dの成分の中で最も重量構成比が高い成分名を記せ。

(4) A=40%、B=25%、C=30%、D=5% のチーズがあるとする。
このチーズのMG/PT(%)と、MG/ES(%)をそれぞれ計算せよ。

 

【問題6】以下の文章を読み、設問に答えよ。
 イタリアは世界第4位のチーズ生産量を誇り、1人あたりの年間消費量は約21.7㎏に及ぶ(注)イタリアのチーズの多様性、そして生活の中でテーブルチーズのみならず料理に多用されているところに要因があると思われるが、どのような特徴があるだろうか。
 まずはその国土と気候である。ヨーロッパ南部に位置し、長靴のような形をした南北に細長い形状で知られているイタリア半島、そして地中海に浮かぶ島々から成る。地域により気候の違いがあるが、主に地中海性気候である。
 次に、イタリアのチーズはその風土や特徴から(a)北部と中・南部に分けられる。
 北部では( A )乳製のチーズが多く造られており、アルプス山脈周辺の山岳地域では(b)Fontinaのような大型で保存性が高いチーズ、その山麓地域では(c)Gorgonzolaに代表されるソフトな( A )乳製のチーズや混乳製のチーズ、ポー川流域の( B )平野では(d)Parmigiano ReggianoやGrana Padanoのような大型のチーズの他、日本でよく見かけるMascarponeやRicotta、Mozzarellaなど工場製のチーズが生産されている。
 中・南部では(e)Pecorino Romanoのような( C )乳製のチーズや、山羊乳製のチーズが主に造られている。これは暑く乾燥した中・南部の気候にあった家畜を飼育していることによる。また一部の地域では(f)Mozzarella di Bufala Campanaに代表される( D )乳製のチーズが造られている。
(注)乳業年鑑2022年版、2020年の実績による

(1) 文中のA~Dに適切な言葉を記せ。

(2) 下線部(a)のようにイタリアを北部と中・南部に分けるとき、一般的にどこが境になっているか。以下より正しいものを選び、記号(あ~え)を記せ。
   ロンバルディア州とエミリア・ロマーニャ州
   トスカーナ州とピエモンテ州
   ウンブリア州とマルケ州
   エミリア・ロマーニャ州とトスカーナ州

(3) 下線部(b)Fontinaについて以下の中から間違っているものを1つ選び、記号(あ~え)を記せ。
   生産地はヴァッレ・ダオスタ州全域である。
   ヴァルドスターナ種の牛の全乳から造られる。
   10~12月に標高2000m以上の山地で放牧された牛の乳から造られたものを「d’Alpeggio」という。
   Fontinaと牛乳、卵、バターで作ったアオスタ風フォンデュを「フォンドゥータ」という。

(4) 下線部(c)Gorgonzolaについて以下の問題に答えよ。
  ① Gorgonzolaのように軟らかいチーズを「ストラッキーノ」と呼ぶのはどうしてか記せ。
  ② Gorgonzolaの2つのタイプと、それぞれが持つ味わいの特徴を記せ。

(5) 下線部(d)Parmigiano ReggianoとGrana Padanoは大きさや形などが似ているが、異なる特徴を持つ。正しいものを全て選び、記号(あ~え)を記せ。
   Parmigiano ReggianoよりGrana Padanoの方が生産地が広い。
   最低熟成期間はParmigiano Reggianoが9ヵ月、Grana Padanoが12ヵ月である。
   Parmigiano Reggianoの熟成期間中に検査をし、等級に分けたものがGrana Padanoと名乗れる。
 え  Parmigiano Reggianoと違い、Grana Padanoは搾乳ごとに製造が行われる。
(6) 下線部(e) Pecorino Romanoというチーズを人に説明する際、どのように伝えるか。チーズ名の意味、生産地、味わいの特徴の観点から記せ。

(7) 下線部(f)Mozzarella di Bufala Campanaについて以下の問いに答えよ。
  ① Mozzarellaの名前の由来を記せ。
  ② このチーズの特徴的な製法を「パスタフィラータ」というが、同様の製法で造られる原産地名称保護のイタリアチーズの名前を2つ記せ。

【問題7】下記はナチュラルチーズの製造工程の概要を示したものである。この工程に沿って、以下の問題に答えよ。
原料乳の受け入れ → 加熱殺菌 → 乳酸菌スターター添加 → 乳の凝固 → カッティング → ホエイ分離 → 型詰め・成型 → 加塩 → 熟成

(1) 乳を殺菌する前に、成分調整を行う場合がある。その目的を述べよ。

(2) チーズ製造に用いられる加熱殺菌の条件を2つ記せ。

(3) 型詰めまでの工程における、乳酸菌スターターの主な働きを簡潔に説明せよ。

(4) 乳の凝固には、レンネットとよばれる凝乳酵素が使用されることが多い。「酵素」について正しいものを選び、その番号を記せ。
   ① 化学反応に関係するたんぱく質であり、生物ではない。
 ② 酵母と同じものであり、発酵をおこす。
 ③ 生物の胃の中にのみ存在する。
 ④ 温度が変化しても働きは変わらない。

(5) 凝乳酵素は、乳のたんぱく質に作用する。凝固の主役となり、チーズの主成分のひとつとなるたんぱく質の名称を記せ。

(6) レンネット添加以外の方法で乳を凝固させる製造方法のひとつに「酸凝固」がある。これはどのような手法か、その原理を簡潔に説明せよ。

(7) カッティングにおける切断サイズは、チーズによって様々である。細かく切断して攪拌や加熱を強くする場合、カードがどのような状態になるか、「シネレシス」という言葉を用いて簡潔に説明せよ。

(8) 型詰め・成形後に、ウォッシングという工程を行うものがある。これにはどのような効果があるか、簡潔に説明せよ。

(9) 100kgの原料乳からゴーダ(セミハードタイプ)をおよそ何kg造ることができるか。選択肢の中から1つ選び丸で囲め。

【問題8】チーズ製造においてその特徴を決める重要な製造工程に「加熱」がある。

(1)上記のA~Fの文章に最も当てはまる食品を、あ~くの写真から選び記号を記せ。

 (2) Aの加熱工程の目的を記せ。
    
加熱の目的:

 (3) B~Dそれぞれの加熱工程の目的と食品の名称を記せ。 
 
B 加熱の目的:
    名称:
 C 加熱の目的:
    名称:
 D 加熱の目的:
    名称:

 (4) Eの工程何というか、またその工程の目的を記せ。
   
工程:
   工程の目的:

【問題9】
(1)プロセスチーズについて以下の問いに答えよ。

 ① ラベルの内容に合わせて、一括表示の空欄を埋めよ。

 ② ①のチーズに含まれる特定原材料を記せ。
 ③ 法規に定められているプロセスチーズの成分規格を記せ。
 ④ プロセスチーズの特徴を2つ、簡潔に記せ。

(2)次のチーズについて以下の問いに答えよ。

 ① ラベルの内容に合わせて、一括表示の空欄を埋めよ。

 ② ラベルに表記されているEUの品質認証マーク名を記せ。
 ③ このチーズが生産されている圏名と県番号を記せ。
   
圏名:
   県番号:


一次試験問題 出題のねらい
【問題4・6】
代表的なチーズ生産国について、風土とチーズの特徴など総合的な知識を問う。
【問題5】
食品成分の構成比による特徴と、成分表記の理解度をはかる。
【問題7・8】
製造工程の意義及び効果についての理解度をはかる。
【問題9】
一括表示に記載される情報についての理解度をはかる。


*解答例は開示はいたしません(紙面・ウェブサイト等での掲載は無し)。
 「出題のねらい」を参考にし、教本を元に解答を導きだしてください。
*試験問題に関する質問は一切対応いたしません。
*上記の試験問題はウェブサイト用に体裁を加工調整しています。

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